一定期間ひとつのテーマに沿った絵を1日1枚からアップしていきます。絵について、思いつくまま、感じるままに綴ってまいります。
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2週間ぶりの更新となり、もしお待ちいただいている有難い方がいらっしゃいましたら申し訳ございませんでした<(_ _)>
「天使の絵」カテゴリーはひたすら長くなってしまいそうですので一旦休憩いたしまして
次は「画中画のある絵」を紹介いたします。


画中画って何?と思われる方もいるかもしれませんが、
これは読んで字のごとく、絵の中に描かれている絵のことです。
画中画という言葉を有名にしたのは、日本でも大人気のフェルメールです。

☆ヨハネス・フェルメール作「天秤を持つ女」(1664年頃)
paintingInArt.jpg


「金を測る女」という名称でも呼ばれいたことがありましたが、
調査の結果天秤の上には何も乗せられていないということで
「天秤を持つ女」となったそうです。

宝石や金貨が無造作に置かれているテーブルの前に立ち、
天秤を使って、この女性は何を測っているのでしょうか?



絵を詳しく見ていくと、何を測っているかを暗示するもの
(=この作品の本当のテーマ)が描き込まれています

それが女性の奥にかかっている「画中画」です。

暗くて見えづらいですが、画中画には「最後の審判」が描かれています。


最後の審判をwikipediaで調べたところ
キリスト教では、世界の終わりにイエス・キリストが再臨し、あらゆる死者をよみがえらせて裁きを行い、永遠の生命を与えられる者と地獄に墜ちる者とに分ける

とのことで、これは昔から絵画にはよく登場するテーマです

参考:ルーベンス「最後の審判」(※上記フェルメール作品の画中画ではありません)
paintingInArt2.jpg


まとめますと、フェルメールの「天秤を持つ女」は、
人間の魂が秤(はかり)にかけられ、天国と地獄に振り分けられる寓意を表していると考えられます。

また、テーブルの上にある真珠や貴金属などは、
一般的に富の象徴であるとともに「虚飾」を暗示するものでもあるため、
それを天秤にかけていない点についても、さらに深い寓意を読み解くポイントになるかもしれませんね


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☆ヨハネス・フェルメール作「ヴァージナルの前に立つ女」
paintingInArt3.jpg


ヴァージナルの前に立ち、こちらを振り返っている女性の作品。
画中画は風景画が2点とキューピッドの絵があります。


まずキューピッドはカードを手にして誇らしく掲げています。
このカードはトランプの「1」のカードで、
ただ一人への愛情を示しているといわれています。

また、画中の風景画は「純潔」を象徴する場合もあるため、
この作品は、この人物の貞節を表しているという解釈が一般的です。

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☆ジョン・エヴァレット・ミレイ作「ブラック・ブランズウィッカー」(1860年)
paintingInArt4.jpg


出兵前の騎士とその恋人を描いた作品。

画中画はダヴィッドの「サン・ベルナールを越えるナポレオン」の版画です
参考:ジャック・ルイ・ダヴィッド作「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン」(1801年)
Louis-David5.jpg

タイトルの「ブラック・ブランズウィッカー」は、
ナポレオンの支配に対抗する戦争(ワーテルローの戦い)に集まった志願兵のことで、
長い戦いによる犠牲者の喪に服して黒色の制服に身を包み、
銀色の髑髏マークのバッジを帽子につけていました。


女性は志願兵の恋人で、ドアの外へ出ようとする男性を
ドアノブを握って制止しています。
腕には赤いリボンがつけられており、これは男性の足元にいる犬のリボンと呼応しています。
※「犬」は男性への貞節を示す象徴物です

美しいサテンのドレスの描写が見事ですね。
また、白と黒の対比によって男女の心のすれ違いを演出しています。


ちなみに
ブラック・ブランズウィッカーは、大半が戦争で命を落としていますので、
これが最後の別れ、、、と余計に感傷的な光景に見えます。


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☆ドミニク・アングル作「ラファエロとフォルナリーナ」(1814年)
paintingInArt5.jpg


新古典主義の画家アングルの作品。


描かれているのは、ルネサンス3大巨匠のひとりラファエロと、モデルのフォルナリーナ。
アングルはラファエロに心酔しており、その憧憬の気持ちから描いたといわれています。



奥にはラファエロの代表作「小椅子の聖母」が掛かっています。

★参考:ラファエロ・サンツィオ作「小椅子の聖母」(1514年)
paintingInArt6.jpg



そして手前のイーゼルに掛かっている描きかけの絵は
ラファエロの若い婦人の肖像(フォルナリーナ)です。


★参考:ラファエロ作「若い婦人の肖像(フォルナリーナ)」
paintingInArt7.jpg


ちなみにラファエロは女好きで有名だったとか。

そんな俗っぽさを感じさせないのは、
作中のラファエロが腕の中にいる実物のフォルナリーナではなくて、
絵の中にいる彼女に視線を向けているためでしょうか。


アングルの思い描く「理想の画家」ラファエロ像を描いたのでしょう

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前回ご紹介したのはラファエロに心酔していたアングルの作品でしたが、
逆にラファエロのことを侮蔑していた画家もいます。

☆ジョン・エヴァレット・ミレイ作「ジェイムズ・ワイアット・ジュニア夫人と娘のサラ」(1850年)
paintingInArt8.jpg
ジョン・エッヴァレット・ミレイは、ラファエル前派と呼ばれる集団の画家さんです。

ラファエル前派(Pre-Raphaelite Brotherhood)のラファエルとは
ルネサンス期の画家ラファエロのことで、
自分の目指す美は、ラファエロよりも前の美術である、としていた集団です。

この肖像画の壁に掛かっている版画は、
左からラファエロの「小椅子の聖母」、
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」、
ラファエロの「アルバ家の聖母」。

ラファエロは優美な丸みのある「曲線」が特徴の画家だったのですが、
この肖像画では、人物の表情も硬直し、
いたるところで「直線」的な表現が用いられ、対比させています。

若かりしミレイが、自らの理想に燃えていたことを暗示している作品です。

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☆モーリス・ドニ作「青いズボンの子供」(1897年)
paintingInArt9.jpg


ナビ派の画家モーリス・ドニの描いた母と子の描かれた作品。

頭の上にはボッティチェリの「聖母子と幼い洗礼者聖ヨハネ」の版画が。
paintingInArt11.jpg


ドニは、ルネサンス期の画家ボッティチェリを崇拝していたので、
彼の描く清らかで美しい聖母子の絵画と、
モデルの母子の姿をリンクさせているのでしょう

おさえられた青色の色調と黄色の対比が美しいですね


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印象派の画家達の作品に登場する画中画をご紹介いたします☆

☆エドゥアール・マネ作「エミール・ゾラの肖像」(1867年)
paintingInArt12.jpg


印象派の画家達の評価が低かった当時、
マネの作品を擁護していたエミール・ゾラという人物の肖像画。


画面右上に3枚画中画(版画)があります
・エドゥアール・マネ作「オアランピア」
paintingInArt13.jpg

・ベラスケス作「バッカスの勝利」(1628年)
paintingInArt14.jpg

・歌川国明作 浮世絵「大鳴門灘右ヱ門」



ベラスケスは、マネが尊敬していたバロック美術の画家で
歌川国明は、当時大流行していたジャポニズム(日本趣味)を表しています。

そして、マネの作品「オランピア」は発表するなり物議をかもした問題作。
(高級娼婦を表しているとして非道徳的と非難されました)


恐らく、これまでの西洋美術の価値観(ベラスケス)と
ジャポニズムな東洋美術の価値観の融合こそが
オランピア(自分の絵画)と示したいのかと思います。

さらに、画中画の人物が皆、エミール・ゾラに視線を向けていることから、
この「新しい芸術」の理解者に対して、
注目し称賛しているということを表しているように見えます


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前回の記事に続きもう1枚マネの作品をご紹介。

☆エドゥアール・マネ作「休息(ベルト・モリゾの肖像)」(1870-71年)
paintingInArt15.jpg


マネの友人であり、マネの実弟と結婚した、女流画家ベルト・モリゾの肖像。



画中画には、歌川国芳の「龍宮玉取姫之図」
paintingInArt16.jpg


↑ 玉取姫のお話:
藤原鎌足は、唐に嫁にいった娘から「霊玉」を贈られるも、
航海の途中で龍神に奪われてしまう。
鎌足は、志渡の海女に竜宮へ潜入して取り返すように命じる。

海女は海に潜り、龍神の隙をみて「霊玉」を取り返した。
戻りの途中で手下に捕まりそうになると、自らの乳房の下を切って「霊玉」を隠し、ようやく敵から逃れ、鎌足に玉を渡して亡くなった


そんな凄まじいお話の版画、荒れ狂う波と竜や擬人化された魚達が
ダイナミックに描かれています。


マネがこの話を知っていたかどうかはわかりませんが、

「休息」というタイトルの肖像画にあまりにも不釣合いな躍動感溢れるこの版画、
ただそこに掛かっていた絵を意味なく描いたワケではない気がします。


モリゾは当時地位が低かった女流画家の世界で
自らの画家の道を貫き通した、意志の強い女性です。

「玉取姫」の絵の前に堂々と座ることで、
「画家」という男社会の大波に飲まれない強さを象徴しているのでしょうか


静かに佇むモリゾの情熱的な心の内を、そっと覗いているような気がします。
(考えすぎかな?)



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